2006年12月26日

記憶障害(認知症シリーズ −2−)

今日は中核症状の中の記憶障害について、お話したいと思います。

記憶障害は、認知症に必ず見られる・・・と、言って良い症状です。
人間には、目や耳から得た沢山の情報から関心あるものを一時的に捕らえておく機関(海馬)と、重要な情報を頭の中に長期に保存する「記憶の壷」が脳の中にあると考えて下さい。
私達は、いったん「記憶の壷」に入れれば、普段は思い出さなくても、必要な時に必要な情報を取り出す事ができます。
しかし、年を取ると一度に沢山の情報を捕まえておく事ができなくなり、捕まえても「記憶の壷」に移すのに手間取るようになり、更に「記憶の壷」から必要な情報を探し出す事も、時々失敗します。年を取って物覚えが悪くなったり、ど忘れが増えるのはこのためです。
それでも、大事な情報は「記憶の壷」に収まります。
ところが、認知症になると、脳が病的に衰えてしまうため、情報を「記憶の壷」に収めることができなくなり、新しい事を記憶できずに、先ほど聞いたことさえ思い出せないのです。病気が進行すれば「記憶の壷」が溶け、覚えていた記憶も失われて行きます。

例えば、物取られ妄想ですが(妄想は後にお話したいと思いますが・・・)私達は、大事なものをしまい込んでも、どこかにしまった事は覚えていて、探すことができますが、認知症になると、しまったことを覚えていないのです。大事な物が忽然と消えたのですから、大変です!盗まれたとしか考えられないでしょう?
志村けん、の「・・・さん、めしはまだかい?」あれも記憶障害が関係あります。
私達は昨日の夕食に何を食べたか忘れる事がありますが、食べた事は覚えています。
でも、認知症の方は食べたことを覚えていない為、「嫁がご飯を食べさせてくれない」となるのです。
「私は忘れてなんかいない!」という主張は、私が認知症だなんて!!というやり場の無い怒りや悲しみ、不安から自分の心を守るための自衛反応です。認知症の人の隠された悲しみの表現だと思います。
posted by 99 at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症

2006年12月07日

認知症について少しずつ、解る範囲で(認知症シリーズ −1−)

私はまだほやほやの認知症ケア専門士ですわーい(嬉しい顔)頭でっかちで自信過剰、覚えたての知識を披露したくて。。。
この場をお借りしたのを機会に認知症について少しずつ、しかも解る範囲でお話しさせてくださいねハートたち(複数ハート)

第1回目は・・・・
「認知症とはどういうものか?」
脳は私達のあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばれなくなります。
認知症とは、色々な原因で脳の細胞が壊れてしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな支障が出ている状態を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは脳の神経細胞がゆっくりと減少していく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病などがこの変性疾患にあたります。
続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が壊れたり、神経のネットワークが切断されてしまう脳血管性認知症です。


「認知症の症状は・・・」
脳の細胞が壊れる事によって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。これらの中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。
本人が元々持っている性格や環境、人間関係など、様々な要因が絡み合って、うつ状態や妄想のような神経症状、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。これらは周辺症状と呼ばれます。
この他、認知症はその原因となる病気によって多少の違いはあるものの、色々な身体的な症状も出てきます。終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

次回からは中核症状、周辺症状の説明、行動障害への対応や支援方法などを徐々にお話していきたいと思います。
posted by 99 at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症

2006年12月06日

認知症サポーターをご存知ですか?

ここには、私を含めて3名の認知症キャラバンメイトがいます。
全国キャラバンメイト連絡協議会では10年間で100万人の認知症サポーターを作ろうというキャンペーンを行っています。
つまり、わたしたちキャラバンメイトの仕事は、みんなで認知症の人とその家族を支え、誰もが暮らしやすい地域を作っていくためのお手伝いです。
認知症は85歳以上では、4人に1人と言われている、ありふれた「病気」です。
現在、認知症の人は約170万人、今後20年で倍増する事が予想されます。
認知症の人は、ちょっとした手助けがあれば在宅生活を続ける事が可能ですが、まだまだ偏見が残っており、本人や家族が苦しんでいる事も珍しくありません。

認知症サポーターには、何か特別な事をして貰うものではありません。
認知症を正しく理解し、認知症の人やその家族を暖かく見守る支援者になってもらいます。
そのうえで、自分のできる範囲で隣人、商店、交通機関、あるいは街で働く人として、ほんの少し手助けしていただきます。
「何かお手伝いする事はありますか?」そんな一言で救われる方が沢山いらっしゃいます。

こころのバリアフリー社会を作る事が認知症サポーターの役割です。

そして私達「認知症キャラバンメイト」はこの、認知症サポーターの育成に協力させて頂いております。
あなたの地域にも、キャラバンメイトはいらっしゃいますか。
posted by 99 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症