2007年02月24日

周辺症状と対応(認知症シリーズ-6-)

不安・焦燥

認知症の初期の段階では、自分の物忘れや、生活上の失敗に気づき、その結果不安になります。(しまった、またやっちゃった、というような不安です。)

ある程度認知症が進行した段階においては、物忘れや、判断力の低下で、「どうしてよいか」「なにをすればよいか」という戸惑いから不安になります。(どうしたらいいかわからない、もうしたくない、というような不安です。)
この場合は、本人の混乱を避けるように工夫し、失敗する状況をさりげなく避けながら、毎日の生活を送れるように援助する事が必要となります。

「解らない」ということは不安です。
私達も道に迷ったり、周囲に知っている人が誰もいなければ不安です。
認知症の人は、このようなことが頻繁に起こります。
住み慣れた街であっても、家に帰れなくなったり、自分の良く知っている人が「知らない人」になってしまいます。

私達の不安には通常は対象が存在します。心配事(不安の元)が解決すると、不安は解消されます。
認知症の場合には、対象の無い、漠然とした不安も存在します。

つまるところ、認知症の人は、軽重を問わず、多くの不安の中で生活していると言えます。

原因の突き止められる不安や焦燥に関しては、根気よく説明したり、成功体験を多く得られ、自信を取り戻せるように、援助する事が大切です。

介護で対応できない不安や焦燥に関しては、抗精神薬が有効とされています。
しかし、薬物には副作用が見られる場合も有り、観察が重要となります。
posted by 99 at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症

2007年02月09日

周辺症状について(認知症シリーズ −5−)

今回から、いよいよ周辺症状に入ります。
周辺症状は前述した中核症状に、元々有った性格・素質や環境・心理状態が加わり起こるもので、不安・焦燥、うつ症状、幻覚・妄想、徘徊、興奮・暴力、不潔行為、せん妄など様々な症状がみられます。
このような症状はつい最近まで「問題行動」「異常行動」と呼ばれてきました。
しかし、問題行動とは、介護する側が困難で問題であるとしているだけで、認知症の人の立場に立った考え方では無いと考えられ、現在では「行動障害」という用語に代わっています。
行動障害は脳の障害に伴う認知機能が原因で起こる行動上の障害を意味し、出現する行動にはそれなりの原因があるという考えからきたものです。

「痴呆症」が「認知症」に、「問題行動」が「行動障害」に代わったけど、実際に介護し、介護されている沢山の方々は・・・?呼び方は代わっても周囲の意識が変わらなければ同じことと感じます。
沢山の人が認知症を理解し、みんなが住みやすい世の中にして行きたいですね。
お話がずれてしまいました・・・。

周辺症状は中核症状と違い、全ての人に見られるものではありません。
その症状も固定せず、揺れ動きますが、治療や対応の工夫によって改善されることも、多くあります。
記憶障害を中心とする認知機能障害からもたらされる、混乱や不確かさ、不安や葛藤を基盤として、これらの神経症状や行動障害が出現しやすいと言われているからです。

そのため、本人が安心できる適切なケア、規則的な日々の生活リズムを大切にし、身体的に良好な状態を保つ事で改善する事も多く、逆に不適切なケアやなじみのない環境、身体的な不調などによって、悪化していく事もあります。

医療によって、中核症状は、ある程度その進行を抑える事は可能です。
さらに適切なケアにより周辺症状の改善が図れれば、認知症の症状は緩和されるでしょう。
認知症は、医療とケアの両面から関わっていくことが、大切と思います。
posted by 99 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 認知症